歴史と文化の基礎知識

Basic Knowledge

豆知識ひな祭りに食べる食べ物は?

縁起の良い5つの行事食をご紹介いたします。
ちらし寿司
ちらし寿司には、おせちと同じように縁起の良い食材が使われています。えびは「背中が丸くなるまで長生きできるように」、れんこんは穴があいているので「見通しがきくように」、豆は「健康でまめに働けるように」など、一つひとつに意味が込められています。
はまぐりのお吸い物
はまぐりは、対の貝殻でなければ形や模様が合わないことから、仲の良い夫婦の象徴とされてきました。結婚式の縁起物としてもよく出されており、ひな祭りでは女の子が良い相手と結ばれることを願って食べられます。
ひし餅
桃色、白、緑と三色が重なったひし餅は、ひな祭りの代表的な行事食です。三色の由来は、桃色(赤)は「魔除け」、白は原料である菱の実の効果から「子孫繁栄」「長寿」、緑は「健康」で、女の子の健やかな成長を願って食べられます。また、桃色、白、緑の重なりは、「雪のなかから新緑が芽吹き、桃の花が咲いている」という春の訪れを表現しているといわれています。
ひなあられ
ひな祭りのお菓子として代表的なのがひなあられ。ひし餅を砕いて外でも食べられるようにしたのが始まりといわれています。ひなあられの色には、桃色、白、緑のひし餅の三色に加えて、黄色が入っています。これは一年の季節を表しているのだとか。桃色は花を咲かせる春、緑は新緑の夏、黄色は紅葉の秋、白は雪の冬のイメージだそうです。一年を通じて女の子が健やかに成長しますように、という意味が込められています。
白酒、甘酒
もともとひな祭りの時期には、桃の花を浸した「桃花酒(とうかしゅ)」を飲む習慣がありました。江戸時代に入ると、桃花酒の代わりにもち米や米麹を混ぜた「白酒(しろさけ)」が広まるようになります。一説によると、江戸の酒屋だった豊島屋の亭主が、夢でお雛様と会い白酒のつくり方を教えてもらったのだとか。それを実際に販売したところ江戸中の評判となり、徳川家の将軍も愛飲するように。こうして、ひな祭りに白酒を飲む習慣が全国に広まっていきました。白酒には約7%のアルコールが入っているので、お子さまは飲めません。そのため、アルコールの含まれない甘酒を代わりに飲むことが多いようです。